東ティモール支援のNPO
フロンティアエイジ1月号 第1面より
山のコーヒー飲み国づくりに協力を
東ティモール支援のNPO
一杯のコーヒーの銘柄を選んで飲むことで、東ティモールの国づくりへの協力を―。滋賀県守山市に事務局を置くNPO法人平和環境もやいネット(理事長=古川久雄京大名誉教授)が、国際貢献への協力を呼びかけている。
コーヒーは同国唯一の特産品。現地で農家支援事業を続けるNGOピースウインズ・ジャパン(PWJ)に協力する活動である。筆者は昨秋、47年ぶりに同国を再訪した際にコーヒー栽培農家を見学、支援の輪がもっと広がって欲しいと心から願った。 (高橋 徹)
現地で邦人が栽培指導
東ティモールは、小スンダ列島にあるティモール島の東半分と飛び地からなる国で人口約100万人。近年までポルトガルの植民地で、かつては日本軍が占領し、後にインドネシアに武力併合されたが、2002年5月に独立。いま国連の指導下で国づくりが進められ、日本も政府と民間からの約90人が現地で協力している。
もともと香料や高級材白檀の産地だったが伐り尽くされ、いま国際商品になりうるのは海底油田の権益とコーヒーだけ。コーヒー栽培は約130年前に伝わり、20世紀初頭に山岳部を中心に栽培面積が増大。全人口の4分の1が何らかのかたちでコーヒーに関係して収入を得ているとされる。熱帯山地の木陰で施肥や除草、剪定などをせぬままに育つ昔ながらのコーヒーという特色を持ちアラビカ種が多い。ブルーマウンテンなみに品質が優れ、古くから欧米人に好評を得てきたという。
国際緊急援助活動をするPWJは、1999年から国連のプロジェクトに参加、住宅資材配布などを手がけてきた。その活動が一段落しはじめたころ、現地に駐在する金丸智昭さん(42)らが「継続的に国づくりに役立つ支援を」と考え、熱帯農業専攻で当時は国立民族学博物館助教授だった阿部健一総合地球環境学研究所教授(50)に相談。阿部さんが現地調査のうえ、コーヒー農家の自立を促す事業をアドバイスし、2003年から支援の取り組みが動き出した。
コーヒー農家はそれまで、チェリーと呼ばれる果実のまま、買い手の言い値で売っていた。そこで、豆にして出荷するまでを地元民で一貫して行えるシステムづくりに着目。島の最高峰タタ・マイラウ山(2963メートル)北部の山岳地帯エルメラ県レテフォホ郡を支援地に選び、農家に呼びかけて2003年「カフェ・タタマイラウ組合」を設立。当初10世帯の加入者が今は233世帯に増えている。
京都の学者たちを中心に、平和を守る活動と環境を守る活動の結合をめざす「NPO法人平和環境もやいネット」の理事でもある阿部さんは、PWJを応援する国内での販路づくりの協力を申し出て「東ティモール エルメラ・マウンテンコーヒー」のブランド名で販売することになった。
趣旨に賛同した阪神百貨店が扱ってくれているが、ほとんどは口コミによる消費者探し。阿部さんは「1杯の東ティモールコーヒーを飲むことで“世界最貧”と言われる国の村おこし、国づくりに協力を」と熱く訴えている。
エルメラ・マウンテンコーヒーについての問い合わせは、もやいネットTEL080・5331・3279かEメール coffee@moyainet.comへ。
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